- パリ生まれ。フランスで有数のジャズ・レコード・コレクターである父親の影響で自然とジャズに囲まれながら育つ。幼少期は父の転勤に伴い世界中を回っており、ラテン音楽やボサノヴァの魅力に親しんだのは、4歳のときに住んだメキシコでのこと。その後、アメリカ、ギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガル、イギリスでの生活を送りながら、様々な文化に接し、生活を楽しむことを自然と身につける。10歳の時パリ16区にあるアールデコ建築のアパルトマンに戻る。ここには壁を覆い尽くすほどのジャズ・レコードのコレクション、グランド・ピアノのある広いリビング、レッスン・ルームなどがある。一流アーティストが集まるサロンにもなっていたパリの自宅で本物の音楽に接しながらピアノを習う。
- 1987年、大好きなジャズ・ミュージシャン、ベン・シドランとジョニー・グリフィンがバルセロナでレコーディングしていることを聞き、ジョニーグリフィンの『コンティノン・ブルー』をフランス語で歌ったデモ・テープを持って駆けつける。大感動したグリフィンは、翌日からクレモンティーヌと一緒に、たった2日間で5曲のレコーディング。アーティスト、クレモンティーヌの誕生である。翌年CBSフランスよりデビューし、3枚のアルバムを発表、大きな話題となる。
1992年、井出靖プロデュースのもと、ゴンチチなど日本のアーティストが作編曲したポップス・アルバム『アン・プリヴェ〜東京の休暇』が大ヒットし、異国日本での活動が始まる。毎年アルバムやシングルを発表、ツアーも行う。活動の場もジャズからポップス、ブラジル音楽まで広げ、フレンチ・ポップスの代名詞ともいえる存在になる。1996年、「クレモンティーヌのフランス案内」(2002年「新・クレモンティーヌのフランス案内」出版)を出版。生粋のパリジェンヌとしてのセンスと風刺、ユーモアを効かせ、生活を楽しむヒントも満載し、好評を博す。
2002年、アルバム『30℃』に参加したパリのDJ&ミュージシャン集団、ファヴェラ・シックとともにブルーノート主催のフーディング・ツアーを行う。スロー・ライフ・イヴェントの先駆けとして注目を集める。音楽を愛し、心地よい時間の過ごし方、人生の本当の楽しみ方を知っている大人のパリジェンヌ=クレモンティーヌ。オン・オフを上手に切り替え、週末は田舎でゆっくりと。自然体でスロー・ライフを実践し、ますます注目を浴びている。